【受賞報告】第17回日本複合材料会議(JCCM-17)

2026.06.23 / 研究報告
早稲田大学 | 創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻 TD5:佐藤 啓太

早稲田大学 創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻 博士後期課程3年(TD5)の佐藤啓太と申します。

この度、2026年3月3日~5日に開催されました「第17回 日本複合材料会議(JCCM-17)」にて、「電気パルスによる一方向CFRP積層板からの炭素繊維分離の機構解明」という題目で発表を行い、学生優秀講演賞を受賞いたしましたので、ご報告申し上げます。

本発表では、現在その多くが埋立てや焼却処理されている炭素繊維強化プラスチック(CFRP)廃棄物の資源循環を促進することを目的として、高電圧を瞬間的に印加する「電気パルス法」を用いた新たな炭素繊維分離技術について報告いたしました。本手法により、CFRP中の炭素繊維を高い強度を維持した連続繊維として回収できることを示しました。

従来の炭素繊維回収技術としては、熱処理や化学処理が広く検討されていますが、エネルギー消費や処理時間の面で課題があります。これに対し、本手法は短時間かつ省エネルギーで炭素繊維を分離できる可能性を有しており、回収後の炭素繊維についても従来法と同等の性能を維持できることを確認しました。また、有限要素法を用いた数値解析を組み合わせることで、電気パルスによる炭素繊維分離機構の定量的な解明にも取り組みました。

本学会では、複合材料の機械的・熱的特性評価、材料加工、構造設計、応力解析などに関する研究発表が多数行われていました。そのような中で、資源循環を主題とする本研究を評価いただき学生賞を受賞できたことを大変光栄に感じております。質疑応答や研究者の方々との議論を通じて、自身の研究内容を専門外の方にも分かりやすく伝えることの重要性を改めて認識するとともに、研究成果を論理的かつ分かりやすく発信する力が身についてきたことを実感いたしました。

最後に、本研究を進めるにあたり日頃より多大なるご指導を賜っております所千晴教授、犬束学准教授をはじめ、研究活動を多方面から支えてくださるPEPプログラムの皆様にも心より御礼申し上げます。