【帰国報告】イタリア ミラノ工科大学への留学体験について

2026.03.31 / 活動報告
早稲田大学 | 先進理工学研究科 先進理工学専攻 TD3:澤木 昴

早稲田大学一貫制博士課程3年の澤木です。

私は2025年11月から2026年1月まで、イタリアのミラノ工科大学にあるLuca Magagnin教授の研究室のもとで研究機関実習を行ってきましたので、その際の体験談をご報告させていただきます。

私は普段、材料面に摩擦が生じた際の界面の化学構造を解析する研究をしています。省エネルギー化のためには摩擦の低減や、摩擦による材料劣化を防ぐことが不可欠で、そのために界面の化学構造を解析することが重要だからです。今回の実習では、私自身の研究分野の知見を広げるような研究を行いました。

今回の実習では、鉄の冷間加工時に摩耗を防ぐリン酸亜鉛電析膜に関する研究を行いました。私自身、めっきによる金属保護の薄膜を扱うのは初めてでしたが、自身の専門である摩擦に関する知見を広げる絶好の機会と考え、このテーマに取り組みました。今回の実習は特に、めっき膜の上に塗布する潤滑膜表面の化学構造の分光解析に取り組みました。分光解析は私の専門分野そのものであり、実習先の強みと私の専門性が重なる領域で研究を進めることができました。

実習当初は、英語での実験指導やディスカッションになかなか慣れず苦労しました。それでも、現地の研究室のメンバーは、私が理解できないでいると何回も丁寧に伝わるように説明してくれました。彼らの紳士的なふるまいや粘り強いサポートには、滞在中何度も助けられました。

研究室では、日頃から学生同士の仲の良さが伝わってきました。例えば、研究室の学生の一人が誕生日だったのですが、その学生が自分でケーキを持参し研究室全員でお祝いをしました。この研究室では、誕生日の学生自らがケーキを持参し祝うのが伝統だそうです。また別の日は、研究室の博士学生の博士論文審査会に全員で立ち会い、終了直後にスパークリングワインを開けて博士号取得をお祝いしていたことも忘れられません。私はこのように、誰かの大きな行事を研究室全員で見守りお祝いするという文化が非常に尊敬できると感じました。同時に、このような関係性を普段から築いているからこそ、研究のディスカッションも活発に行うことができるのだと実感しました。

今回の実習で行なった研究は帰国後も継続し、最終的には論文投稿を目標とします。

最後になりますが、今回の実習でご指導いただきましたMagagnin教授、Magagnin教授をご紹介いただき、さらに多大なサポートをくださった指導教員の本間先生、そして本実習をあらゆる面から支えてくださった早稲田大学の事務局の皆様に、心より感謝申し上げます。

集合写真
ミラノのドゥオーモ
コモ湖