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成果報告シンポジウム「国公私立13大学連携によるエネルギー博士人材が拓く未来」を開催しました
2024年2月14日(水)、早稲田大学リサーチイノベーションセンター121号館B1 コマツ100周年記念ホールにて、成果報告シンポジウム「国公私立13大学連携によるエネルギー博士人材が拓く未来」を開催しました。
PEPは卓越大学院プログラムの中でも突出した、国公私立13大学連携のプログラムとして、インターユニバーシティ型プラットフォームを確立しプログラムを運営してきました。本シンポジウムではこの成功の秘訣を公開し、補助事業終了後のさらなる進化を目指した議論を展開。現地とオンライン合計で208名(うち、企業66名、大学教職員86名、学生51名、他5名)にご参加いただきました。
初めに、早稲田大学・田中愛治総長が「総長就任後の初仕事が、PEPの13大学連携協議会での冒頭挨拶だった。PEPは思い入れのある教育研究事業。13大学の連携は困難と言われたが、皆様のご協力のおかげで、実現できた。Waseda Vision 150 and Beyondの中核の一つをPEPは担っている。2025年に自走化に入ることを視野に入れ、PEPの文理横断・文理融合の教育研究の経験をさらに全学に発展させる形で推進していく」とあいさつ。
田中愛治(早大総長)
続いて文部科学省高等教育局 池田貴城局長より、「国公私立13大学連携によるインターユニバーシティ型大学院としての教育研究基盤の構築、そして13大学共通理念のもとで開発した定量的教育指標であるPEPルーブリックを用いた複層的な評価システムの構築など、1つの大学院だけでは中々難しい取り組みを着実に進めてきている」とのお言葉を頂戴しました。
池田貴城氏(文部科学省高等教育局長)
産業界からはPEPと連携・協力関係にある企業の代表者が基調講演を行いました。それぞれの立場から、電力・エネルギー分野の世界的な潮流・技術動向や課題、またそれら課題解決に資する人材育成を目指しているPEPプログラムへの評価や期待をお話いただきました。
藤山優一郎氏(ENEOS㈱常務執行役員)
岡本浩氏(東京電力パワーグリッド㈱ 取締役副社長)
プログラムコーディネーターを務める早稲田大学理工学術院・林泰弘教授は、「電力エネルギー博士教育の抜本的改革を行った。国造りに挑戦しうる全国規模かつ産学連携での教育研究プラットフォームを構築し、国際標準化教育も盛り込み未来標準となる総合知教育を実践、さらに13大学統一基準で博士学生の質保証を行い、PEP生の成長の可視化と価値の具現化を行った」とPEP育成プログラムの成果を発表。さらに「PEPの組織対組織の研究連携、文理融合型修士・博士人材育成の教育フレームは全学に展開している。今後も13大学と、連携企業や、連携機関が一丸となって本プログラムを継続、発展させていく」と今後の展開と意気込みを述べました。
林泰弘(PEPプログラムコーディネーター)
つづいて早稲田大学PEPプログラム・高木祐治事務局長が、「教員だけではなく、13大学の職員の方々ともチームワークで取り組んだ。意思決定プロセスの効率化・透明化、13大学の統一・標準化・質保証、デジタルを使った事務負担削減により、卓越大学院プログラム最大規模となる国公私立13大学連携を円滑に運営することができた」と語りました。
高木祐治(PEPプログラム事務局長)
修了生事例紹介では、電力系とエネルギーマテリアル系の修了生2名が登壇し、現在の活躍状況や、社会に出てからのPEPの再評価、今後の展望、そしてPEP生へのメッセージを述べました。
金子曜久氏(早大2020年度修了生、現早稲田大学)
深澤篤氏(横浜国立大2020年度修了生、現ENEOS㈱)
パネルディスカッションでは、電力系・エネルギーマテリアル系の連携大学の教授らと、連携企業・研究機関の担当者が意見交換をしました。
13大学・産学連携の価値について、「1つの大学だけでは実現できない」という観点から「人社系含む全国教員の総合知教育」「多彩な学生交流・人的ネットワーク構築」「企業・研究機関による最先端実習」などが挙げられました。また今後の進化・発展に関しては、「13大学・産学連携プラットフォームを活かした研究連携の強化」について多く意見が述べられました。白熱したディスカッションの結果、石井英雄モデレーターによる「人は財なり。垣根低く、目標高く。孤高の点在から、未知のネオドクターへ」という総括で、締めくくりました。
本パネルディスカッションでは、海外有名大学で急速に普及し始めている新時代のオンデマンド講義ツール「ライトボード」を使用し、石井英雄モデレーターがリアルタイムで登壇者の意見を集約し、ボードに書き込むという、デジタルとアナログの融合で行い、ウェビナーでの参加者からも好評を博しました。
左から佐藤康司氏(ENEOS)、光島重徳氏(横浜国立大学)、林泰弘(PEPプログラムコーディネーター)
左から末廣純也氏(九州大学)、川上浩良氏(東京都立大学)、大髙聡也氏(電力中央研究所)
石井英雄(早稲田大学)、モデレーター
最後にPEPプログラム責任者である早稲田大学・須賀晃一副総長による「自然科学系・人文社会科学系問わず、すべての学生を対象とした学際的副専攻「カーボンニュートラルリーダー」と「大学院カーボンニュートラル副専攻」の開設により、PEPの人材育成フレームが学部・大学院や分野の壁を越え、全学に波及した。今後も、持続可能な社会の実現という目標にむかって突き進むグローバルリーダー・高度専門人材を育成していく」との閉会挨拶にて、盛況のうちにシンポジウムは終了しました。
須賀晃一(早大副総長)
本間敬之(常任理事/PEP副プログラムコーディネーター)、司会
シンポジウム終了後、EMS新宿実証センターの見学会を行いました。(希望者のみ)
◆「EMS新宿実証センター」とは
本センターはスマートハウス3軒、デマンドレスポンス自動化サーバ、配電系統シミュレータを有し、電力の利活用に係る様々な実証実験を可能にしています。
PEPでは国際連携力育成に必須である国際標準化教育の演習施設として活用し、学生に実践的な学びを提供しています。
EMS新宿実証センター
【開催概要】
●日時 2024年2月14日(水) 13:30-16:50
●会場 早稲田大学リサーチイノベーションセンター(121号館)
●主催 早稲田大学パワー・エネルギー・プロフェッショナルッショナル(PEP)育成プログラム
●共催 北海道大学、東北大学、福井大学、山梨大学、東京都立大学、横浜国立大学、名古屋大学、大阪大学、広島大学、徳島大学、九州大学、琉球大学
●後援 ENEOS、産業技術総合研究所、電力中央研究所、東京ガス、パワーアカデミー、早稲田大学/スマート社会技術融合研究機構、ナノ・ライフ創新研究機構、
カーボンニュートラル社会研究教育センター、SGUナノ・エネルギー拠点
●プログラムチラシ PDF
●当日配布資料PEP成果シンポジウム当日資料①PEP成果シンポジウム当日資料②