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【プログラム担当者】 研究成果プレスリリース:全固体空気二次電池を開発(早大・宮武健治教授,小柳津研一教授)

繰り返し充放電可能な全固体空気二次電池を開発

山梨大学クリーンエネルギー研究センター・早稲田大学理工学術院の宮武 健治教授、早稲田大学理工学術院の小柳津 研一教授らの研究グループは、水素イオン(プロトン)を可逆的に取り込みながら酸化還元反応する有機化合物とプロトン伝導性の高分子薄膜を組み合わせることにより、繰り返し充放電することができる「全固体空気二次電池」を開発しました。

高分子電解質膜と酸化還元活性な有機化合物を組み合わせる

【発表のポイント】

◆水素イオン(プロトン)を可逆的に取り込みできる有機化合物とプロトン伝導性の高分子薄膜を組み合わせて、繰り返して充放電できる全固体空気二次電池を開発した。

◆一定速度(放電レート15C)における発電で、30サイクル繰り返し充放電可能なことを確認した。

◆小型軽量で液漏れや発火の危険性がなく折り曲げても使える可能性があるため、モバイル機器などへの応用が期待できる。

 

空気電池※1は空気中の酸素(正極活物質)と金属(負極活物質)、イオン伝導性の電解質から構成される電池ですが、多くの場合液体電解質を用いているため、液体の漏れや蒸発、発火など安全性に課題があります。また、負極活物質が酸素や水分により劣化することも課題となっています。本研究により、プロトン伝導性高分子薄膜※2を電解質に、酸化還元活性な有機化合物を負極活物質に用いることで、可搬性と安全性に優れ、繰り返して充放電して使用することができる全固体空気二次電池の開発に成功しました。一定速度(放電速度15C)における発電実験で、30サイクル繰り返して充放電が可能であることも確認されました。今後、構成材料の高性能化・最適化や耐久性などを改善することで、携帯電話や小型電子デバイスなどモバイル機器用の電源として応用できる可能性があります。

本研究成果は、2023年5月16日(火)にドイツ化学会が発行するハイインパクトの学術雑誌『Angewandte Chemie International Edition』のオンライン版で公開されました。

【論文情報】
雑誌名:Angewandte Chemie International Edition
論文名:
All-Solid-State Rechargeable Air Batteries Using Dihydroxybenzoquinone and Its Polymer as the Negative Electrode
DOI
10.1002/anie.202304366

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【早稲田大学HP】

https://www.waseda.jp/top/news/90404