プログラム担当者である朝日透教授、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の小島秀子招聘研究員、およびPEP生の萩原佑紀らの研究グループは、東京工業大学の森川淳子教授らと、結晶に光を当てることで固有振動が起きて高速屈曲が生じることを発見、さらにこの固有振動と同じ周波数の光を与えることで、共振により屈曲が大きく増幅することを世界で初めて発見し、研究成果がプレスリリースされました。
世界初 共振で結晶の屈曲を大きく増幅
【発表のポイント】
◆光や熱などの外部刺激を動きに変換する「メカニカル結晶」の開発において、これまで光異性化・相転移・光熱効果などの現象が駆動源として用いられましたが、高速かつ大きな動きを創出することは難しく、課題でした。
◆本研究グループは、結晶に光を当てることで固有振動が起きて高速屈曲が生じ、この固有振動と同じ周波数の光を与えることによって生じる共振(共振固有振動)により、屈曲が大きく増幅することを世界で初めて発見しました。
◆共振固有振動を用いることであらゆる結晶を高速で大きく屈曲させることができるため、汎用性のある高速アクチュエーション機構として、ソフトロボットなどへの応用が期待されます。
本研究成果は、Springer Nature社発行による『Nature Communications』誌のオンライン版に2023年3月13日(月)(現地時間)に掲載されました。
ぜひご覧ください。
論文名:Photothermally induced natural vibration for versatile and high-speed actuation of crystals
【Nature Communications】https://www.nature.com/articles/s41467-023-37086-8
【早稲田大学HP】 https://www.waseda.jp/top/news/88764