【帰国報告】ニューヨーク州、ストーニー・ブルック大学への留学体験について

2023.09.07 / 活動報告
山梨大学 | 大学院医工農学総合教育部 工学専攻  (TD5):依田 将臣

山梨大学の依田です。

私は2023年5月7日から2023年8月6日までの3ヶ月間、アメリカのニューヨーク州にあるストーニー・ブルック大学(Stony Brook University: SBU)へ留学をしてきました。ここはロングアイランド(根元にニューヨークがある半島)のちょうど真ん中にあたる地域でニューヨーク市街からは東京-山梨ほど離れた距離に位置し、自然豊かでとても落ち着いた場所になります。ここで毎日を過ごしていました。

この度の留学では指導教員の入江教授と旧知の中であるAlexander Orlov教授のもとでSrTiO3光触媒への金属ドープによる光触媒活性への影響について研究を行いました。元々SrTiO3の熱触媒活性に関して金属ドープの影響を調査されており、この機会に私たちのグループが研究している水分解光触媒に関する見識や技術を合わせることで光触媒活性に対する新たな性能や機構、知見を得られるのではないかと考え、Orlov研究室のメンバーと一緒に研究を行っていきました。

研究はミーティングが毎日あったこともあり互いに問題点や疑問を抱えることなく理解し合いながら進めていけたと考えています。また他の研究を行っているメンバーとも研究内容を共有することができたため、興味深い内容について色々と聞き、実験手法などについて話す中で多くの学びを得ることができました。

合成した試料は物性評価のために別の研究施設に移動して実験することがよくありましたがその一つにブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory: BNL)があり、実際に使うことはありませんでしたが見学や説明を受けました。入館手続きをはじめ分析装置の利用や説明などを受けましたが、個人的に驚いたのはサイバーセキュリティを始めとした研究情報に関する高水準のセキュリティでした。もちろん写真などはありませんが研究に対するBNLのセキュリティに関する意識や心がけは今後の研究生活でも活かしたいと思いました。

研究以外の普段の生活について、研究室メンバーとの雑談や思い出は長くなりすぎるので割愛しますが近くの自然公園や海岸の散策をするなどその土地を満喫すること、それとアメリカの文化や考え方を理解し試すことを心掛けて過ごしてきました。ただ車社会であるためか歩道が消えたり、無かったりすることは散策者にとっていろいろと大変だと感じることが多かったです。またSBU構内では車通学は普通なため広大なキャンパス内にテーマパークのような駐車場が至る所にあり、更にはアメリカンフットボールのスタジアムや映画館のような場所もありました。心境については正直、英語力やアメリカでの生活に不安を募らせながら日本を旅立つことになりました。ですが、Orlov教授をはじめ研究室のメンバーや現地で出会った方々は気さくで人柄がとても温かかったです。コミュニケーションがスムーズに行えないなどは多々ありましたがそのような状態でもコミュニケーションをとることが本質的には楽しい事だと思い、知る分には留学生活は楽しく、このような経験ができたことにとても感謝するようになりました。この掛け替えのないの出会いを大切に、忘れないためにも友人にまた会いに行きたいと帰国後は思っています。今回の留学は研究以外にも人としてもこれまでの考え方やモノの見方が見事に砕かれたと同時に、多くの学びや経験が得られたものでした。留学中の研究については引き続き日本でも行い、最終的に論文にまとめていきたいと考えております。

本留学は留学費用の一部をPEPプログラムの助成を受けることで遂行することができました。貴重な経験と出会いを生んでくれましたことに誠に感謝申し上げます。

最後になりますが快く滞在を受け入れ有り難い様々な経験を与えてくださったOrlov教授や研究室メンバーの皆様、親身になって協力や相談に乗っていただいた入江先生、留学の手続きでお世話になりました三大学の事務局の方々に深く御礼申し上げます。