再生可能エネルギーは,地球温暖化防止やエネルギー問題への対応など様々な効果が期待されています。固定価格買取制度によって,制度開始前は10%程度だったのが,現在では15%程度まで大きく増えました。ですが,海外諸国と比べると,まだまだ伸びが足りません。例えば,ドイツは31%,スペインは35%と日本の倍以上の量が導入されています。さらに,目標でも日本は2030年に22~24%を目指していますが,ドイツは50%以上とさらに大きい目標を立てており,日本も海外諸国にならって再生可能エネルギーをしっかりと伸ばしていく必要があります。
この研究室では,再生可能エネルギーの大量導入を目指し,電力システム技術の研究と,より再生可能エネルギーを効率的に使うための技術の研究の両輪で進めています。電力システム技術では,特に発電と消費のバランスに着目し,再生可能エネルギーの出力が大きく変動しても問題が起きないよう,どの様な再生可能エネルギーと火力発電などの発電機の組み合わせを計画するのが良いのか,トラブルが起きても周りに影響が及ばないようにするにはどうしたらよいかなどについて,研究しています。
(1)制御可能な大型再生可能エネルギーを含めた電力ネットワーク
(2)再生可能エネルギーの慣性力を考慮した電力ネットワーク 等
再生可能エネルギーを効率的に使う技術では,例えば,太陽電池を搭載した電気自動車の研究があります。自動車の屋根やボンネット,側面などを使い,高効率の太陽電池を搭載し,走行時や駐車時に充電します。こういった車では太陽電池の向きが色々な方向を向いていますので,最適な配置や最適動作点に関する研究,また,走行時の日射量の推定方法などの研究が重要となります。
(3)PV搭載電気自動車の実現可能性評価
(4)PVによる計画発電を対象とした蓄エネ制御 等
そのほか,国や地域でどの程度の再生可能エネルギーを入れるべきか,エコロジカルフットプリントを用いた研究を行っています。これは,人間が消費した地球の資源を表しており,地球の回復力であるバイオキャパシティと比較します。現在は持続可能ではないと結果が出ていますが,再生可能エネルギーによって改善が見込めます。どの程度導入すべきか,また,そのように導入した時の電力システムの実現について,研究を行っています。
(5)エコロジカルフットプリントによる再生可能エネルギー導入目標量 等
20種類以上を比較した北杜太陽光発電所
エコロジカルフットプリントの考え方。太陽光発電デ持続可能性向上