修了生インタビュー 女部田 勇介さん

2024.10.22 / 近況
早稲田大学 |

女部田 勇介さん  2022年度修了(現職:AGC株式会社)

エネルギー・マテリアル系/早稲田大学 本間研究室

 

Q. PEPへの参加を決めたきっかけは何ですか?参加してみてどうでしたか?

もともと、博士課程を修了後は企業で働きたいと思っていました。指導教員の本間先生にPEPプログラムを紹介いただいたとき、産業界との繋がりができるプログラムだと思いましたし、自分の研究が企業でどう活かせるかを考える機会が増えるのではないか、と感じて参加を決めました。経済的支援がかなり充実していることも後押しとなりました。

私は、電気化学が専門で、電池も研究対象の一つです。電力系統は非常に関連が深い分野ですので、PEPでの電力系の学びは面白かったです。例えば「実際に系統を運用する際には収支があっていないといけない」、「微妙な変動電力に対応しなければいけない」といった基礎知識から学べたことは、就職後もアドバンテージになっていると思います。マテリアル系の研究だけでは、なかなか得られない知識である電力エネルギーについて知ることができたのは良かったなと思っています。

 

Q2 PEPの必修科目を受講した感想について教えてください。

必修科目はどれも結構面白かったという印象があって、満足しています。

企業に行って実物を見る高度技術外部実習では、電力中央研究所の実験施設の規模の大きさを感じましたし、座学で電力系統に関するプログラムを動かすことも興味深かったです。

事業創造演習ではみなでグループワークをしてとても楽しかったという思い出があります。ビジネスモデルを考えるという普段なじみのない経験でしたが、「こういう課題もあるのだ」と気づきが生まれました。

パワーリソースオプティマイズ講義では、普段聞くことができない、他大学の先生の講義も聞けました。その中には、論文を拝読したことのある先生もおりました。また、普段あまり接することのない先生の講義を受けると、同じ現象を見ていても、違う視点から語られていることに気づき、視野が広がり、学びが深まりました。ひとつ事例を挙げるとすれば、「電荷移動」の概念を改めて授業で伺い、直接先生とお話することができました。近い分野のプロフェッショナルな先生の話を伺うことで、新たな発見があり、そこからもう少し、自分自身でも深く考えるきっかけになったという、そんな感じがします。

 

Q. PEPを通して、どのような出会いがありましたか?

PEP生同士、仲良くさせていただきました。分野は違えどみんな博士学生ですから、「進捗はどう?」とか、「大変だよね」とか励まし合ったり、出会えば「お疲れさま」と声をかけたり、心のよりどころだったと思います。PEPに参加していなかったら出会わなかった人もたくさんいると思います。就職してからは連絡を取り合うことはあまりないですが、何かあったら連絡しようと思える付き合いではあります。

PEPの指導体制やネットワークはとても魅力的だと思います。いろいろな人とコミュニケーションをとることで、新しいことに対しての抵抗感も少なくなると思います。また、他の研究分野の人とどういう風に関係を作っていくかは、実際に就職した後も重要と感じていまして、PEPで培った共同研究力や融合力が活かされていると感じています。

 

Q. 今の職業を選んだ理由とキャリアイメージについて教えてください。

博士課程に進んで、自分はやっぱり研究が好きなんだなと再確認をしつつ、企業に就職したいという思いも変わりませんでした。企業選びの際には、企業に就職した研究室の先輩のキャリアを参考にしつつ自分の研究テーマにある程度合致し、やりたいことができる企業を選びました。今後のキャリアとしては、研究をつづけるか、マネジメントに移行するかはまだわかりませんが、定年にこだわらずできるだけ長く働きたいと考えています。

PEPの必修科目の中で、企業の社員さんと触れ合えたことも、キャリアを考える一助になりました。演習中の短い時間でしたが、幅広い年齢層の方の生のお話を聞くことでキャリアの参考になりました。

 

Q. 後輩たちにメッセージをお願いします

PEPは、他分野の学生や教員とのネットワークが構築でき、いろいろな学びや経験を得ることができます。そして、PEPを通したつながりや経験は修了後も財産となると思います。ぜひPEPに参加して頑張ってほしいです。